Androidネタをもう一つ。
というアプリを大変気に入っている。
いわゆるカーナビアプリ(徒歩にも対応)だが、これのいいところは、地図データをストレージに明示的に保存して使うようになっている(保存先も内蔵ストレージかSDカードか、自分で選べ、後で変更もできる)ので、オフライン、つまりネットワーク無しでも使えること。
だから、SIMの挿さらないタブレットでも使える。
(SIMの挿さるタブレットやスマートフォンであれば、トヨタのやつがいいと思っている。この辺のことついてはそのうちちゃんと記事にするつもりでいる)
同じようなアプリとしてはMAPS.MEというのがあって、こちらのほうが有名だし、評判もそれなりにいいようだ。
当然こちらも試してみたが、たしかにちゃんと使えるアプリである。
なぜ僕がMapFactorの方をひいきするかというと、まず、各種設定やルート検索・設定等がより細かくできるし、そのやり方も(少なくとも僕にとっては)わかりやすい点が理由としてある。
例えば上に括弧書きで書いた、地図の保存先ストレージの変更などは、MAPS.MEの方では(やろうと思えばできるのかもしれないが)やり方がわからなかった。
その他にも、道路の規模(高速とか幹線国道とか地方の小さな道とか)ごとに、走行スピードを設定することができるようになっていて、これを工夫すればルート選択や到着時間の精度をあげることができる。これも、MAPS.MEに限らずほかのカーナビアプリでは設定方法が見つからない。
しかしそれよりももっと大きな理由があって、MAPS.MEはレビューにも動作が重い、と書かれていたのだが、実際僕の安物タブレットではろくに動いてくれなかった。
(平均的な能力のタブレットなら問題なく動く)
それでがっかりして、これに変わるものがないかと思って探したら見つかったのがMapFactorのやつだったわけ。
こちらは安物タブレットでも問題なく動く。
ただしMapFactorにも弱点があって、これが日本では評判が必ずしも高くなさそうな一番の理由だろうと思うが、こと日本に関する限り、表示される地図の情報量が非常に少ない。もちろん縮尺によるが道路だけで文字がまったく見当たらない、というような状況が結構ある。
地図データは国ごとにわけられたファイルを落としてくるようになっているのだが、試しに落としてみたフランスが1.4ギガもあったのに対して、日本は0.3ギガほど。広さの違いを差し引いても、日本の地図の情報量の少なさを反映していると思われる。
しかし、そもそもの情報量の少なさだけではなく、別の理由もありそうだ。
というのは、MapFactorの地図はOpenStreetMapのものを使っているのだが(他に、有料のトムトムというのの地図を選ぶこともできる)、このサイトを確認してみたところ、日本の地図にも十分な量の情報がある。
MapFactorでそれらの情報が表示されないのは、このアプリが日本語表示に対応しておらず、一方OpenStreetMapの日本の部分には、英語名やローマ字名がなく、日本語名だけが入力されている地名が多いためだろうと推測している。
(それに加えてMapFactorの使っているデータが古い、ということもあるかもしれない)
MapFactorが日本語表示に対応するか、OpenStreetMapの編集者の方々がローマ字名や英語名を入力して下さるのを待つしかない。
(OpenStreetMapというのは誰でも編集に参加できるもののようだから、ほんとは僕自身がその作業を買って出ればいいのだろうと思うのだが、何分そういうことをしたことがないので、どうも尻込みしてしまう)
というわけで、情報量が少ないので、例えば目的地を検索しようとしても、日本についてはほとんどヒットしない。
親切なことにグーグルを利用して目的地を検索・設定することもできるようになっていて、こっちであればかなりうまくいくのだが、いかんせんそのためにはネットに接続する必要がある。
オフラインで使えるのがポイントなのに。
というわけで、現状ではまだ便利に使えるとは言えない(ネットに繋げられればそれなりに便利だと思うが)のだが、将来性は十分にある。
僕は大変に気に入っている。
そんなわけで、安物タブレットのみならずトヨタのがちゃんと使えるスマートフォンにもこれを入れて、時々意味もなく地図を見たりルートを探したりして楽しんでいたのだが、さっき不意に、懸念材料が一つ出てきてしまった。
MapFactorは使っておらず、それどころか今日は一度も触っていない、という状況で、なんとなくタブレットのメモリの使用状況を調べてみたら、メモリを食ってるアプリの一つとしてMapFactorが表示されていたのだ。
僕は、使っていないソフトウェアが知らないうちに勝手にバックグラウンドで何事かをごちゃごちゃやっていることを好まない。
そういうことをするソフトウェアは大嫌いである。
Androidを使っていると、特にグーグルがらみのソフトウェアがそういうことをやっていて、大変に気に入らないのだが、そもそもグーグルはそういうことが大好きそうなのでアンドロイドを使う以上は仕方ない、と、あきらめながら使っている。
せっかく大変気に入ったのに、MapFactorよ、お前もか、とがっかりしかけたが、がっかりし切ってしまう前に、一点、確認をした。
一つだけ心当たりがあったのである。
MapFactorを起動させると左下に出てくる "Settings" の画面で、 "Map manager" というのが選べる。
これは地図データを落としてきたり削除したりするための "Map manager" について設定するところ(マップマネージャを実際に使うときはメイン画面の下の真ん中のボタンで呼び出す)で、僕の評価ポイントの一つである保存先の変更はここでできるのだが、その中に "Map updates check" という項目があって、チェックをつけたり外したりできるようになっている。
これはダウンロードした地図データについてアップデートがあるかないかを自動で確認させるか否かの設定。
ソフトウェアに自動で何かさせるのは大嫌いではあるものの、一方で、上述のようにこのアプリの最大の弱点である地図の情報量の少なさはデータのアップデートによって解消されるはずだ、という期待がある。
これはさせておこう、と、オンにしてあった。
自動といっても、アプリを立ち上げた時とか、少なくともアプリの稼動中にやるんだろう、と思い、関係ない時にも常時動いているのだとは考えなかった。
が、メモリを食ってる、と言われると、これが常時働いてることを疑わざるを得ないので、試しにこれをオフにしてみた。
その上でメモリチェックをするとMapFactorの名前は見事に消えていた。
念のため時間をおいて何度か確認して見たが、メモリチェックでMapFactorが出てくることはなくなった。
素晴らしい。
バックグラウンドで何かやっているといっても、怪しげなことをしているわけではなく、僕が頼んだことを地道に、ただし結構メモリを食いながら、やっていただけだったわけだ。
不意に湧いてきた疑念が、あっという間にすっかり払拭された。
アップデートの確認は、僕が大抵のものについて通常そうしているように、手動でやれば良い。
(地図データを落としてくる画面で、落としたものについてはアップデートがあるか否かが表示される。実際にはアップデートなし、というのしか見たことないが)
MapFactor GPS Navigation Mapsを、ひいきし続けようと思う。
== 追記 ==
せっかくなので一点だけ追記しておきます。
MapFactorの地図データはSDカードに保存するように設定しています。
一つ前の記事に書いたように昨晩タブレットの初期化を行ったのですが、その際SDカードは外しておいたので初期化前の状態のままで、初期化後に挿したら中のデータはそのまま使えました。
が、SDカードのMapFactorのデータをそのままにして、MapFactorを再インストールし、起動させると、地図データが見つからない、と、初めてインストールした時と同じ表示が出て、地図データをダウンロードするかを聞いてきます。
Yesを選ぶとまず保存先を選ぶダイアログが出るのですが、SDカードが選べません。
これは困ったと思い、一旦タブレット自体を電源ボタン長押しで無理やりシャットダウンしてから(というのは、このアプリはアプリのメイン画面から "Exit" を選ばないと終了できないのですが、データの保存先を決めないと先に進めず、つまりメイン画面にも行けないので終了させることができなかったから)再起動させ、ファイルマネージャでSDカード内のMapFactorのデータをフォルダごと全て削除し、再度MapFactorを起動させてみたら、今度はデータの保存先にSDカードも出てきて、無事、先に進むことができました。
それなりに大きな地図データをもう一度ダウンロードしなければならないので、時間は結構かかってしまいましたが。
これは推測ですが、こういう事態が起こったのは、タブレット本体の内蔵ストレージにあったアプリ設定ファイルは初期化で消えてしまい、当然地図データの保存先の設定も消えてしまっているのでアプリが地図データを見つけることができなかったためでしょう。
そこで再設定する必要が出てきたのですが、その際にアプリであらかじめ決めてあるSDカード内の保存先にはすでにその名前のファイルやディレクトリが存在しており、そのような場合には既存の書類を勝手に上書きしてしまうことのないように選択肢に出さないように設計してあるのではないかと思われます。
これは良心的な設計であると僕は判断する(もちろん手間をかければアプリが自分で地図データを見つけられるようにできるでしょうが、そのためにアプリが肥大化するくらいなら、これでいいと思います)のですが、そのために手間と時間がかかりました。
あらかじめSDカード内のMapFactorのデータの入ったディレクトリの名前をファイルマネージャで変更しておいたうえで、MapFactorを再インストールして起動し、地図データが無いからダウンロードするかを聞かれた際にNoを選んでとりあえずアプリのメイン画面に行き、そこからSettingsのMap managerのところへ行って地図データの保存先としてSDカードを選び、一旦アプリを終了してから、おそらく自動でできているMapFactorのディレクトリにデータを移す、もしディレクトリができていなければ変えておいた名前を元に戻す、というやり方をすれば、地図データを再度ダウンロードすることが避けられたのではないかと想像します。
面倒なので試してみることはしませんが。
SDカード内のMapFactorのデータのパスは(僕の場合は)以下の通り。この "com.mapfactor.navigator" の名前を一時的に変更しておけば良い、というのが僕の予想です。
/storage/extsd/Android/data/com.mapfactor.navigator/