2014/05/10の記録:PowerBookG4 (12) へのDebian Wheezyのインストール
今日というより昨日なんだけど、やったことを簡単にまとめておく。
ちょうど一年前までメインのパソコンとして使っていたPowerBook G4 1.33 12に、Debian Wheezyをインストールした。
このパソコンには実は、既にLubuntu(13.10 → 14.04)を入れていたんだけど、色々不具合があって、動きも鈍かった。そもそも去年さすがに苦しいか、と思って新しくMacMiniを買ったくらい重たくなっていたOSXの方が、まだLubuntuよりはまし、ということに久しぶりにOSXで立ち上げたときに気づいてしまい、LubuntuはEeePC900HAにも入っていることもあり、不具合を解消するためのモチベーションがなくなったので、Lubuntuはクビにすることにした。
それで、あいたところに、iBookG3 366 SEに入れてすっかり気に入ってしまったDebianを入れることにした。
Lubuntuよりはマシな動きをしてくれることを期待。
iBookはLXDE版にして、それ以外入れてないが、iBookに比べればスペックの高いPowerBookなので、他のデスクトップも試してみたいという気持ちもあった。一番のお目当てはねずみだが、前にDebianの普通のiso(つまりGNOMEのやつ)をCDに焼いてあったので、それを使って、後でXfceとLXDEを入れることにした。
簡単にまとめるといったのに、いつも通りダラダラ書いてきてしまったが、この先は簡単にする。
まずインストールだが、ちょっと迷ったのはパーティションで、前回Lubuntuをインストールしたときのままの分け方でいいので、それぞれのパーティションの中身を消すだけにしようと思ったのだが、「このパーティションのデータの削除」をやってみたらやたらと時間がかかりそうだったので、キャンセルして「パーティションの削除」にした。そうするとその部分が空き領域となる。これは「ext4」になってた所だが、「スワップ」、「boot」と表示される前回のLubuntuインストールの際に作られたパーテションをすべて削除して、ひとかたまりの「空き領域」にしてから、パーティションの最初の画面に戻って「ガイド - 最大の空き領域を使う」にして、進めた。あとは悩むことはなかった。
(最初の状態)
(この画面で「パーティションの削除」を選ぶ。これは「スワップ」の例だが、上の画面で「ext4」「boot」となっている部分も同様にする)
(三つとも消すと、こうなる。一番後ろに40ギガの空き領域ができる)
(ガイドによるパーティショニングをすると、こういう選択肢が出るので、初心者の僕は「すべてのファイルを一つのパーティションに」を選んだ)
(そうすると、こうなって、最初と同じパーティショニングがされるので、「パーティショニングの終了とディスクの変更の書き込み」を選んで、先に進める)
で、Debianが立ち上がると、GNOMEのセッションになるわけだが、これがひどい。
所々文字化けする上に、上の方にあるアイコンの大きさが変だし、そもそもウインドウが枠だけモヤッと出て中身が表示されない。
これはダメだ、と思って、慌ててXfceをインストールしようとSynapticパッケージマネージャを起動させてみたが、そもそもウインドウの表示が変なんだからパッケージのインストールどころじゃない。
想定外の事態に慌てふためいて、iBookに使ったLXDE版CDで再インストールか、とか思ったが、とりあえずログアウトしてログイン画面に戻ったら、セッションの選択肢にGNOME classicがあったので、それを試してみたら、アイコンがいくつか変なことを除けば特に問題なく使えた。
しかしパソコンがいきなりシャットダウンしてしまう。大ショック。
頭ではこれは電源管理系のトラブルで、とりあえず
/etc/modules
に
pmu_battery
と書き込んでみれば治るんではないかと分かっていたのだが、最初の表示が変なことと合わさってすっかりGNOMEに恐怖心をいだいてしまったので、早くGNOMEから脱出したい一心でSynapticパッケージマネージャでXfceをインストール。
インストール中にまたパソコンが落ちないか、とヒヤヒヤするが、インストールは無事すんで、再起動しようと思ってメニューのログアウトを選んだところで落ちた。
今度はXfceで立ち上がって、憧れのねずみと初対面を果たしたのだが、正直それどころの気分じゃなかった。
色々設定している途中でまた落ちたので、早く/etc/modulesをいじればいいのにと頭では考えながら、慣れ親しんだLXDEにして落ち着こうと、インストール。
LXDEで立ち上げると、下のパネルのアイコンが表示されない不具合があって嫌な気持ちになるが、とりあえず急いで、/etc/modules に pmu_battery と書き込んでおいた。他にも色々いじっていたので、ほんとにそれがよかったのかどうかよく分からんが、とりあえずそれ以降急に落ちたりしなくなった。
(アイコンの不具合は実際はアイコンの不具合ではなく、後述する、モニタ認識の問題のようだ。これまた後述する措置をとればアイコンは表示される。だからLXDEに問題があるわけではない)
これで自分も落ち着いて、Xfceをいじり始めた。
これからは順不同の箇条書きでいく。
(以下の記述はDebianのXfceデスクトップについてだが、GNOMEのをインストールした後で追加したXfceなので、最初からXfce版を入れた場合と違いがあるかもしれない)
・デフォルトではインプットメソッドはuim-anthyを使っていたようだが、uimは使い慣れないし、上のパネルの表示領域では足りないくらいの大きさのパネルが出てきているようで、一部が隠れてしまうのが気に入らないので、ibusとibus-anthyをインストールした。
(右上、青っぽいのがuimのパネルだが、端が欠けている)
・フォントは、Takaoフォントと、mscorefonts (ttf-mscorefonts-installer)と、ubuntuのフォントとCourier Primeをインストールした。後二者はサイトからダウンロードしてきて/usr/share/fontsに入れた。
・ttf-mscorefonts-installerは、最初パッケージマネージャに出てこなかったが、リポジトリでcontribにチェックをいれ、http://security.debian.org/ Wheezy main を追加したら出てきた。どっちが効いたのかよく分からんが、後者の方はうまくつながってないような表示も出てくる。
・上のパネルに表示させる時計は、デフォルトのでなく、orage のにした。理由は単に、フォントを変えられるから。フォントを上でインストールした Ubuntu Condensed にすると、スペースを節約できる。時計の表示は
%m/%d %a %R
にした。左から 月/日 曜日 二十四時間制の時・分、の意味。
・僕がこだわるキーボードレイアウトについてだが、一応「メニュー>キーボード>レイアウト」でレイアウトの追加はできるが、オプションの設定はできない。パッケージマネージャで "xfce-xkb-plugin" というのを落としてきたら、パネルに「キーボードレイアウト」を追加できるようになる。旗画像はでかすぎるが、表示をテキストにすると、僕の好きなタイプライター風のフォントで表示され、感じがよい。
(右上隅の "jp" がそれ。時計のフォントが Ubuntu Condensed にかわっている点にも注意)
しかし、このプラグインではオプションは切り替えキーとコンポーズキーの設定しかできず、なお悪いことに他の方法でやったそれ以外の設定を上書きして無効にしてしまう。
(この前の記事で書いたような内容のコマンド (setxkbmap) を自動起動させるようにしたのだが、セッションの起動の際にそれが動いた後でこのプラグインが起動するらしく、上書きされてしまう。システムの設定の方をしても、当然上書きされる。僕がこの前Lubuntuについていだき、それは杞憂に終わった懸念が、Xfceでは実現してしまっていた)
見た目は僕の好みなのに残念ながら使えないので、キーボードレイアウトの表示・切り替えはxxkbに頼ることにした。xxkbについては後述する。
(青い "Jp" がxxkbの表示。青いのは自分でそう設定したからで、色は自由に変えられる。青にした理由は後述。ちなみに、次にあげる写真ではよく見ると字体が変わっているのだが、これは実は大きな違いで、背景色にテキスト表示、から、Gimpでつくったアイコンへの変化。xfce-xkb-pluginのタイプライター風フォントを再現したかったのだが、xxkbのフォントの設定は、できるはずなのだが素人向けじゃないためかうまくいかず、一方xxkbはアイコン表示にも対応しているので、アイコンを自作したわけ)
・デスクトップの見た目の構成は、OSX風を意識してみた(iBookのLXDEがxp風なので。でも、エクスポゼが再現できないんだよな。OSXの一番いいところは、僕の考えではエクスポゼ【*】)。具体的には、上のパネルから「ウインドウ・ボタン」を削除し、下のパネルの右の方に入れ、アイコンだけの表示にした。下のパネルは出たり消えたりするようにした(OSXでも、ドックは出たり消えたりする設定にしてるので)。これはOSX風というよりOS9風だが、上のパネルの右端に「ウインドウ・メニュー」を入れた(これは、OSXで「OSXにOS9のアップルメニューを復活させる」というふれこみのX-assistを使った状態に近づけることができる)。
【*その後、Skippy-XDとBrightsideという仕組みを使えばエクスポゼのような機能が再現できることがわかりました。このブログでは、きちんとまとめた紹介記事を書くつもりでいながら未だに書いていませんが、2015/03/11の記録、2016/04/12の記録で触れています。(2016/05/17追記)】
(普段は上の写真の様に隠れていて、ポインタを持っていくとこうなる)
(ちなみに、メインのMacMiniのデスクトップはこんな感じ。散らかってる。アイコンがでかいのは僕の趣味。ドックは普段は隠れる設定にしてあるが、撮影のために出した。右上からプルダウンしてきてるのがX-assistで、「ショートカット」を選ぶと、登録しておいたアプリケーションを呼び出せる。これがあるのでドックには最小限のアプリケーションしか登録してないんだけど、それはXfceでは「ウインドウ・メニュー」ではなく左上の「アプリケーションメニュー」からやる。つまりX-assistはウインドウ・メニューとアプリケーションメニューを兼ねているようなもんだ。ただし、ウインドウごとの呼び出しはできず、アプリケーションの呼び出しにとどまるが)
・最初「ターミナルが使えない」とあせったのだが、それはデフォルトのターミナルになっている「GNOME 端末」の色の設定が、「システムのテーマ色を使用する」にチェックが入っていた結果、背景黒、文字も黒、と言う馬鹿げたことになっていたためだった。つまり何か打ち込んでも見えなかっただけで動かなかったわけではなく、色の設定を変えれば当然問題なく使えた。
・LubuntuでもLXDE Debianでも愛用しているxfce-screenshooterをインストールしたのだが、日本語名が最初から入ってたGNOMEのと同じ「スクリーンショット」となっているので紛らわしい。
/usr/share/applications/
のGNOMEの方の.desktopファイルに、
NoDisplay=true
と追記して、メニューに出てこないようにした。アンインストールしちゃえばいいんだけどね。
・GNOMEに恐怖心をいだいてしまった僕としては、ログイン画面がGNOME風なのが恐ろしい。そこで、ディスプレイ・マネージャをgdm3からlightdmに変えた。パッケージマネージャでlightdmをインストールすると、デフォルトにしますか? ときいてきてくれるので、はい、と言うだけ。
(後で変えたくなったら、/etc/X11/ に default-display-manager という書類があるので、それをエディタで開いて書き換えればいい)
・lightdmだと、デフォルトでは名前も打ち込まなきゃいけなくて面倒だし(そっちの方が安全だけど)、毎回セッションを選ばないとデフォルトのセッションになっているあの恐ろしいGNOMEセッション(classicじゃない方)が立ち上がってしまうので、
/etc/lightdm/lightdm.conf
を書きかえた。具体的には、中ほどの [SeatDefaults] のところの、
greeter-hide-users=true
の頭に # を加えて働かなくする(true を false にしてもいい。これで名前は選択式になり打ち込まなくてよくなる)。
次に、
#user-session=default
の方を、逆に頭の # をとって機能させる。これは、ユーザーごとのデフォルトセッションを決める、と言う設定で、ようは最後に選んだセッションが次回選択された状態になるということ。ホームディレクトリにある .dmrc に書いてある。
(システムのデフォルトのセッションをGNOMEじゃなくする方法、ご存知の方がいたら教えてください。Xfceをはじめて起動させたとき、デフォルトにしますか? ときいてくれたのに、いいえ、にしてしまったのがくやまれる。)
・この不具合は大きな不具合で、まだ直し方が分からないんだけど、画面の表示が変になる。ログイン画面で下5分の2くらいが汚らしくなり、立ち上がった後も、特にブラウザなどで表示が乱れ、水平な縞状に文字等が見えない部分ができる。おかしな話だが、「メニュー>設定」の「ディスプレイ」でも「モニター」でもいいんだけど、解像度をいったん800x600などにして、すぐに1024x768に戻すと、とりあえず作業をしている限りは変な表示はなくなる。シャットダウンしようとすると (多分セッションを終了すると、だとおもう) ログイン時のような下の方が汚い画面になるし、ログアウトしてログイン画面を呼び出しても同じ。次にパソコンを起動させても同じ。これを直すために色々苦労したが、直らない。iBookでは画面の輝度設定ができるのに、このパソコンではできないことはヒントになるかと思う。モニターをうまく認識してないんじゃないかな。
(写真にしてみると、結構無惨な状態だな。ディスプレイ・マネージャがlightdmになってる点にも注意)
(ログイン後はこの状態。ログイン画面ほどひどくはないが、この写真のような状態のiceweaselで記事を読むのはつらいので、上に書いた作業を毎回やらねばならぬ。それをやればあとは問題なくなる)
【その後、悲しい情報を入手してしまった。まず、Open the Nextさんの記事を見つけた。それによると、xserver-xorg-video-nouveauというものに問題があるので、xserver-xorg-video-nvというものがあることを確認した上でxserver-xorg-video-nouveauを削除するとよい、とのこと。さっそくxserver-xorg-video-nouveauとxserver-xorg-video-nvを探してみると、問題のある前者はあったが、後者はなかった。nvの方がないのでは別の問題があるのだろうと思ったが、とりあえずxserver-xorg-video-nouveauを削除してみると、上の写真のような画面下部の不具合はでないものの、画面全体が美しくないものとなった。「モニタの設定」を見てみると、解像度の選択ができなくなっており、リフレッシュレートは60のはずが0になっていた。やはり、nvもnouveauもなし、とはいかないようだ。xserver-xorg-video-nouveauを再インストールして、またネット検索してみると、Debian on a PowerBook G4. Tweeks and thoughtsというページが見つかった。これによると、やっぱりこのPowerBookにはnouveauはあわず、僕と同じ問題が生じるが、根本的な解決策は見つからず、対症療法的にxorg.confをいじっている、とのこと。肝心のxorg.confの内容は紹介してくれてない。この記事には、nvがあればいいんだけど、wheezyにはnvはない、とも。さっき紹介したOpen the Nextさんの記事は前のバージョンのsqueezeについてのものなので、nvがあるわけだ。どうも、僕の手に負えることではなさそうでめげた。(05/11)】
【「対症療法」のやり方がわかった。まねしてみたら、まあ満足行く結果が得られた。05/14の記録参照 (05/14)】
まだいろいろあるように思うが、とりあえず今はこれくらいにしておく。
【大事なことを書き落としているのに気づいた。Wifiの設定。ツルプレスさんの紹介してくれているJeremy Tarlingさんの記事の記述に従ったらうまくいった。】
ちなみに、xxkbを知ったのはEeePC上でこの3月に密かに、しかし着実に進めた「Lubuntu パピー化計画」の過程でのこと。
パピー化に際しては、見た目だけの話なのだからほかのやり方もあろうが、とりあえずパピーに忠実にjwmを導入した。で、このjwm、なかなか感じがよく大変気に入ったのだが、キーボードレイアウトを表示する仕組みがない。そこで、keyboard layout indicator で検索して見つかったのが、xxkb。
パピー化されたデスクトップでは、下の写真を見てもらえばわかるようにパネルの色が青に設定されているので、xxkbの表示の背景色も青にしたというわけである。
Xfce用に別のアイコンをつくってもいいのだが、試しにやってみたらそれほど悪くもないので、パピー化LubuntuとDebian Xfceでアイコンを共有することにした。
背景透明のアイコンもつくったのだが、色のあるところしかクリック判定してくれない、というよけいな配慮がしてあるので、文字だけであとは透明、というアイコンは実用的でなかった、というのもある。
これがパピー化されたLubuntuのデスクトップ。右下の "jp" がxxkbの自作アイコン。周囲とよく調和していると思う。
その右はjwmのパネルに幅100ピクセルの空間をあけた上でFcitxのパネルをそこに設置している(04/23の記録の最後に書いたように、デフォルトのLubuntuセッションでも同様のことをしている)。この辺はパピーとは違うところ。
デスクトップはパピーに忠実にロックスファイラを使っているが、ファイルマネージャはPCManFMの方が使い勝手が良いので、そっちにしてる。
パピー化ルブントゥとルブントゥデフォルトは、ログイン時のセッションの選択で切り替えられる。
パピー化計画はもう完了していて、その過程を書こう書こうと思っているんだけど、めんどくさくて延び延びになっている。2ヶ月近く経っちゃったんで、詳しい手順は忘れちゃってる。とりあえず、アイコン関係がめんどくさかった。
本物のパピーはこれ。
(久しぶりに立ち上げたよ)
【xxkbについて、設定の方法など詳しいことは、また後で書く。この下に追記するかもしれないし、新しい記事を立てるかもしれない】