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2014/10/08のことば

「可愛いでしょう?」ふたたび女は云った。半ば反射的で半ば自分に強いるかのようだった。自己の所有物に対するこうしたあけすけな讃辞を聞いて、男は一寸あきれたように女を見やった。しかし、苦渋とも歓びともつかない色が、その細められた目元に皺をよせているのを見て、すぐ目をそらした。彼には、女というものがうらやましかった。

—北杜夫「羽蟻のいる丘」

この一編、大変に印象深く味わい深く思うので取り上げようと思ったんだけど、一部を切り出すのは難しかった。
というか、無理だった。

全体を象徴する部分とも思えないが、男と女の言うに言われぬ感情のあやが上手く表現されているように思って、ここを持ってきた。

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