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2017/05/05のことば

清夜宮車出建章 紫衣小隊両三行
石闌干畔銀灯過 照見芙蓉葉上霜

—薩都刺「宮詞」

薩都刺はにも取り上げたが、目のやりどころが僕には面白く感ぜられる。

建章宮は漢の武帝の宮殿だが、ここでは宮門の名とある。

薩都刺の元の時代にそういう門があったのか、詩上で名前を借りただけか、建章をそういう意味で使う習わしがあるのか、それとも漢の時代の情景を描いた完全なフィクションなのかは、知らない。

wiktionaryの建章の項を見たら、Jianzhang was originally the name of a palace hall in the ancient city of Chang'an. Later on, it also came to refer generically to any palace hall.とある。三つ目が正しいようだ。(追記)】

紫衣は吉川幸次郎の解説によると宮女を指すらしい。帝の車の後を宮女の車の列が二、三つづく。

【一読してなんとなく遠出をイメージしたので宮女も車と決めてかかったが、そんなに遠くに行くわけでない、宮城内のちょっとした移動で、宮女たちは徒歩で従っているのかもしれない。「紫衣の小隊」とあるわけだし。そうだとすると、何組かに分かれて列を作ってついて行くのだろう。そのほうがいいかもしれないが、よくわからない。(追記)】

石闌干は固有名詞なのか、石の欄干ということか、知らないが、多分後者でいいだろう。

そのそばを帝の車の明かりか、宮女の方か、華やかなイメージを出したいなら後者のほうがいいかもしれない、それが通りかかって、橋の下の水面が照らされる。

水面の蓮の葉、その上に霜が降りているのが、一瞬、見えたのである。

一瞬と言っても、行列の中の所々に「銀灯」はあって、チラッ、チラッと何回か見えたかもしれない。

暗闇に、今まで見えなかったもの、黒っぽいものの上に緑っぽいものが浮かび上がったのだが、それが全体として白っぽいのである。

それで、そうか、と思う。

その気付きの感動をうたにした。

つまり、感慨や感情をうたったものではなく、叙景のうた。

叙した景に何らかの感慨を託しているのかもしれないが、僕には読み取れない。

叙景としてそれだけで十分に、面白く思う。

豪華な、きらびやかな、場合によってはいかめしい道具立てだが、視線はそっちではなく、蓮の葉の霜に向けてある。

そこが工夫だろう。

こどもの日は全く関係ない。

それどころか季節もあわない。

いつものことだが、念の為。

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